皆さん、二輪は好きですか?シリーズです。
今回のネタ、ざっくり言うと「エンジンをかけるためのスターター周りの不具合修理」です。
最近流行りのAI、皆さんも何かしら使っていますよね。
私も仕事でもプライベートでも結構使っています。もちろん、整備の情報を調べるのにも便利で、これまでも助けられたことが何度もありました。
……が。今回は、痛い目にあいました。
9月6日、事件発生
会社から帰ろうとスタートボタンを押した瞬間。
「シャー……」
金属が擦れているような音だけがして、エンジンがかかりません。
「あ、スターターが壊れたな」
そう思い、その日は渡邊君に手伝ってもらって押し掛け。なんとか帰宅できました。
ここからが運命の分かれ道でした。
これまではGoogleやYouTubeで同じ症状を探して、手順や注意点を調べてから修理に入っていました。
ところが今回は、ChatGPTに聞いてしまったんです。
最初のやり取りは、それっぽいことを言ってくるので
「やっぱAIすごいな」と思いながら進めるうちに、行き着いた答えはこうでした。
「ワンウェイクラッチの滑り」
(スターターモーターの力を伝えるギア側のトラブル)
スターターモーターの分解洗浄は経験があるので、「よし、いける」と思ったのですが……途中からAIがしきりに言うんです。
「プライマリーを分解するのが正解です」 と。
「え、プライマリーって今回関係ある?」
そう思いつつ、ここで冷静に別ルートで調べ直す意識を欠いていました。
結果、AIの指示通りに突き進んでしまったんです。
(※プライマリー=エンジンの力をギアへ伝える部分)
これまでになく作業はシビア。腕力も必要。工具も追加購入。
次作の治具までフル活用。
なんとかプライマリーの分解に成功しました。
(↓溶接して作った治具)

(↓自作治具を挟んで体重をかけてやっと取れました)

(↓新しく購入したジャッキプレス。このギアの中に答えがあると言うのですが...)

……が。
肝心のワンウェイクラッチにアクセスできない。
「ここまで進めたけど次は?」とAIに聞き直すと、返ってきた答えがこれです。
「あなたの年式はここではないようです」
えーーーーーー!!!!
ここまで来るのに 20日間 かかっていました。
(↓本命のワンウェイクラッチにたどり着くまでたったの3時間)

「もう元に戻すか……」と、使い慣れないジャッキプレスで作業していたら、プライマリーのギアを破壊。
もう涙も出ませんでした。
(↓...アルミのギアが割れました)

ネットを探して該当ギアを見つけたものの、値段は ◯万円。
奥様に報告し、泣く泣く購入。届くまで2週間。時間だけが過ぎていきます。
届いたパーツは怖すぎて自分でプレス作業できず、いつもお世話になっている整備工場へ持ち込み。
(↓快く対応してくれました)

これで戻せる……と思いきや、今度はゴムベルトが入らない。
無理に進めて破断。
また◯万円。
そして原因をよく見ると──
買ったギアのサイズを間違えていました。
(↓全然違うやん。右が正しいサイズ)

さらに◯万円。
吐き気がしました。
--すでに 2か月経過。
10月と11月にツーリングに誘われてましたが、
浮気してレンタルバイクで阿蘇へ
四輪の愛車ジュリエッタで嬉野へ
という屈辱の代替えツーリング。
(↓たまには違うバイクも楽しいですね)

普段の道でも軽快に走り抜けるバイクを見るたびに、心にぽっかり穴が空くような、空しい日々でした。
次の購入で失敗は許されません。
適合しそうなパーツをイタリアのショップが出していたので、数回やり取りして入念に確認。
(イタリア語メールはAIに作ってもらいました。そこは助かった)
確信が持てたので発注。納品予定日は 12/28。
気が滅入り、持病のめまいも発症(本当です)。
年末休みは家族の時間もあり作業は進まず、1/2にようやくガッツリ作業。
休みだし、恥ずかしいしで整備工場にも持ち込めません。
極度の緊張の中、見よう見まねで進めて、恐怖のプレス作業も無事クリア。
「お手本を見る」って、こんなに大事なんだと痛感しました。
……そして1/4、休暇最終日。
またトラブル。
組み戻し中の箇所から オイル漏れ。
(巨大な威力のインパクトレンチでナットを回したのが原因かも)
(↓中古のモンスター級インパクトレンチ)

1/7に分解してパーツ特定→発注→到着待ち。
一つ一つ成功しても、もう笑みすら出ません。
(↓オイル漏れ箇所。素人でこんなとこまで触るとは)

1/12~1/14の3連休で最後の追い込みをかけました。
オイル漏れ解消。
プライマリー組み上げ成功。
バラしていたマフラーなども戻し……
祈るような気持ちでスタートボタンを押しました。
4か月と1週間の休眠から覚めたエンジンが、音を立てて動き出しました。
……が。
喜びより安堵を感じた次の瞬間、ガソリンが大量に漏れてきました。
長期間乾燥しきったフューエルホースが劣化していたようです。
ここは予備のホースに即交換して対応。
埃が焦げる煙がふわっと立ち上がり、
あの荒々しいサウンドが戻ってきました。
ということで、1年の1/3を相棒なしで過ごした結果、得られた教訓はこれです。
「AIを鵜呑みにするべからず」
特にChatGPTは、必ず答えを出そうとする癖があると言われています。
確実性が低い話でも、前後の文脈から推測して“それっぽい結論”を出してしまうことがある。
今回も途中から、2つのAIと自分で調べた結果を照らし合わせましたが、感覚としてはGeminiのほうが「分からない」を表現してくれるぶん、判断がしやすい場面がありました。
プレス機でギアを破壊した瞬間はChatGPTを恨みましたが、今は「特性を知らずに使い方を誤った自分」の反省が大きいです。
これからの時代、AIなしでは回らなくなる気もします。
だからこそ、早めに“使い方”に慣れていくのが、生き残るコツなのかもしれませんね。